年端も行かぬ幼い子どもを性の対象とする「小児性愛」の問題は、性をタブー視する日本社会のなかでも特に忌避され社会的議論につながってこなかった。 【写真】昨年女児12人盗撮事件の現場となった“大手中学受験塾” しかし近年、故ジャニー喜多川氏による男児への性加害が明らかになったほか、塾講師をはじめ教師やベビー(キッズ)シッターなど、子どもにとって身近な大人による加害行為も表面化してきた。 本連載では、小児性愛障害と診断され、子どもへの性加害を起こした者への治療に取り組む斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)が、治療やカウンセリングを通じ実感した加害者特有の「認知の歪み」について解説する。 今回は、加害者の認知の歪みが、本人の行動や社会規範と“連動”し強化されていく様子を紹介する。(第3回/全5回) ※ この記事は、斉藤章佳氏による書籍『「小児性愛という病――それは、愛ではない』(ブックマン社)