その日はとても偶然だった。急遽打ち合わせの用事ができ、久しぶりに京都オフィスに出社していた。 しなもんの具合が良くないことを、朝会で近藤さんから伺った。表には出さないように努められていたようだったが、明らかに動揺されているのがわかった。せっかく京都に来ているので、何かあれば力になれればと思っていた。 15時ごろ、そのタイミングがやってきた。 「しなもんがいよいよつらそうなので、縁の深い関係者に連絡して、しなもんを囲む会を開催したい。連絡役をお願いできないか。」 近藤さんからの突然のSkype。もちろん二つ返事で承諾した。この時点ですでに動揺していたのは覚えている。 1人では正常な判断ができないと思ったので、隣にいた二宮さん、古株の大西さん、慎司さんと相談した。「しなもんと縁の深い人」というのは難しい。社員はみんなしなもんのことは知っている(と思っている)し、とはいえ全社員で駆けつけるほどの