4月に『長渕剛論』(毎日新聞出版)を出した批評家・杉田俊介さんと、女性性・男性性に関する映画批評をmessyで連載しているライター・西森路代さんの「男らしさ」対談。「マッチョな男らしさ」を否定する先に「新しい男らしさ」は見つかるのか。全3回。 ・否定形で語られる「男らしさ」から、「男らしくない男らしさ」の探求へ ・模索される「新しい男らしさ」は、マッチョに回帰するのか。いま必要とされている長渕剛成分。 杉田 今年の10月頃に、集英社新書から「男の弱さ」についての本を出す予定です。男の中のミサンドリー(男性嫌悪)はどこから来るのか、という話からはじめています。そういえば、僕が惹かれる人って、長渕剛さんでも宮崎駿さんでもそうだけど、ミサンドリーが強い人が多い気がします。いずれ村上春樹についても書きたいし……。 西森 気になったんですけど、ミサンドリーのない男の人もいるんですかね。 杉田 薄い人