その女の足は、彼に取っては貴き肉の宝玉であった。拇指から起って小指に終る繊細な五本の指の整い方、絵の島の海辺で獲れるうすべに色の貝にも劣らぬ爪の色合い、珠のような踵のまる味、清冽な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢。この足こそは、やがて男の生血に肥え太り、男のむくろをふむ蹈みつける足であった。 ――谷崎潤一郎 『刺青』 ■イラスト:tkhshttp://www.pixiv.net/member.php?id=12579■脚本:陽一官能シリーズまとめ mylist/28211417 その他のUP物 mylist/7411424ブログ http://awepoi.blog121.fc2.com/