ファッション業界が突如サステナビリティに突き進み始めた。その一つの柱に、動物福祉=アニマルウェルフェアが含まれている。 なぜなら、これまでファッションのために動物たちがとことん苦しめられてきたからだ。そしてそのことが、消費者に受け入れられない社会に変わってきているのだ。 動物の毛皮=ファーの終焉 2019年、私たちは日本が多くの毛皮製品を輸入する中国の毛皮農場の飼育実態を実際に見る機会を得た。 高い塀の内側に並べられた無数の小さな檻。そこにぎゅうぎゅうに入れられているキツネやタヌキ。欧米でも毛皮農場は残っているがその狭さは比べ物にならない。動物たちが折り重なるように入れられている。周辺に打ち捨てられた死体が置かれ、朽ち果てつつある。 同じ動作をひたすら繰り返す常同行動を行う動物たちも多い。常同行動は正常な行動ができる環境を奪われたときにあらわれる異常行動だ。改善されなければ徐々に身体的また