流言飛語が飛び交う関東大震災直後、いわれなき理由から朝鮮人や中国人が殺害された。しかし、悲劇は千葉県でも起きていた。知られざる99年前の悲劇、福田村事件を取材した。 (千葉放送局記者 武田智成) 追悼の祈り ことし9月6日、千葉県野田市にある霊園の一角で追悼式がひっそりと営まれた。 花が手向けられた慰霊碑には、福田村事件犠牲者追悼の文字。 99年の歳月が流れたからだろうか、遺族はおらず、 参列したのは、事件を語り継ぐ市民グループのメンバー10人余りだった。 福田村事件とは 事件は大正12年9月6日、関東大震災から5日後、福田村(現在の野田市)で起きた。 香川から訪れた薬売りの行商の一行が、村にある神社で休憩していたところ、地元の自警団に朝鮮人と疑われたことをきっかけに一方的に襲われ、15人のうち子どもや妊婦を含む9人が殺害された。 当時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などと流言飛語が飛び交う
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