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ブックマーク / note.com/6016 (2)

  • あさちんの子。|きなこ

    あさちんは年に数回連絡をくれる私の数少ない友人であり、かつての高校の同級生だ。 あさちんはその昔、華奢で小柄でくるりとカールした睫毛に縁どられた大きな瞳にふんわりとした癖毛の、とにかくとても可愛い女の子だった。 高校を卒業後、県内の地元国立すら冬は険しい山と雪に阻まれて通学不可能になる土地柄のためクラスの半分は県外の、東京、名古屋、大阪あたりに進学する地元で、その地域の地主というか横溝正史の小説に出てくるような旧家の2人姉妹の長女だったあさちんは「女の子がひとりで都会に出るてとんでもない」という両親の言いつけを守り、家から通える地元の短大に進学した。 「あさちんは成績がいいし、特に英語なんか超できるのになんか、もったいない」 あさちんが自分の進学先の関西に一緒に行ってくれたらどんなに心強いだろうと別れた彼氏ばりに未練がましい私に、だって親がさあと笑うあさちんは、別に両親が取り立てて底意地が

    あさちんの子。|きなこ
    nicoyou
    nicoyou 2023/08/07
    生き物を育てる、ということに犬猫すら責任を持てず恐怖を覚える自分には遠い世界のお話だった。これからは自由で良い人生でありますよう
  • 女子の生きざまについて。|きなこ

    3人兄妹の真ん中の娘が10歳になった。 おめでとう10歳。 10代の女の子は眩しい。全部がこれからで、色んな事が初めてで、世界が彼女達の為に扉を開けて待っている時代。彼女達はどの子もミモザアカシアの花みたいに可愛い。今月10代の仲間入りを果たした私の娘も含めてみんな、みんなだ。 1980年代後半から1990年代にかけて10代の女の子だった私には、10代はあまり楽しい季節ではなかった。 そもそも当時は地味で、そう美しくもなく、特別賢くもなく、取り立てて取り柄のない私のような女の子は学校の中で市民権というものを持ち得ない時代で、教室の隅で出来るだけ息をひそめて静かにしていないといけない、そういう存在だった。結構冗談抜きで。 でも仮に美しくて、ピアノが弾けて、成績が良くて運動もできて、性格も明るく快活なそれはそれは素敵な女の子だって『女の子』である事がまだまだまだ足枷になる時代だった。大体点呼の

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