近年、将棋が空前のブームとなっている。「聖の青春」「三月のライオン」といった作品がヒットし、昨今では史上最年少プロ・藤井聡太四段が快進撃を続けている。 実は藤井四段と筆者は彼が小6のときからの付き合いである。彼の可能性に目を付けて雑誌の企画で取材し、その後家に泊まってもらったこともあり、筆者はずっと“エセ後見人”を務めている。 だからこそ、彼が時代の寵児となり、全国の注目を集め、将棋に光が当たるのは涙が出るほど嬉しい。 だが、一つ気になることがある。 ワイドショーなどで必ず話題になるのが「収入・賞金」である。藤井四段がこのまま快進撃を続け、賞金最高額のタイトル「竜王」を獲得すれば4320万円である。「そんなにもらえるなら、私の子供にも将棋をさせようかな」というコメンテーターがちらほら見られる。だが、一言だけ言っておく。 「冗談もほどほどにしてくれ」と。 当たり前だが、プロ棋士の中で竜王にな