食の偽装拡大 「日本ブランド」を傷つけるな(11月9日付・読売社説) 食品の虚偽表示が底なしの様相だ。ホテルにとどまらず、百貨店のレストランや食品売り場でも次々と発覚している。 業界全体のモラルの欠如にあぜんとさせられる。 ブラックタイガーを「車エビ」、既製の紙パック入りジュースを「フレッシュジュース」、豪州産牛肉は「和牛」――。 発覚後、ホテルや百貨店の幹部は「認識が甘かった」「原材料のチェックまでしていなかった」と釈明する。「偽装」を認めず、「誤表示」と言い募るケースが後を絶たない。意図的ではなかったとの趣旨だろう。 しかし、景品表示法の「優良誤認」については、故意か過失かを問わない。商品が実際よりも優れていると消費者をだますことが違法になる。一連の虚偽表示は、これに該当するのではないか。 ホテル、百貨店に対する消費者の信頼は厚い。だからこそ、質の高いサービスと引き換えに割高な代金を支