「まいまい」はカタツムリの事であり[1]、井戸の形がその殻に似ている事から「まいまいず井戸」と呼ばれる。「まいまいず井戸」は既に古代から存在し、武蔵野の歌枕として知られる「ほりかねの井」(堀兼之井、堀難之井)がこれを指すものと見られる。 いかでかと思ふ心は堀かねの井よりも猶ぞ深さまされる(伊勢) はるばると思ひこそやれ武蔵野の ほりかねの井に野草あるてふ(紀貫之) 武蔵野の堀兼の井もあるものを うれしや水の近づきにけり(藤原俊成) 汲みてしる人もありけんおのづから 堀兼の井のそこのこころを(西行) 井はほりかねの井。玉ノ井。走井は逢坂なるがをかしきなり。(『枕草子』 清少納言) など、和歌や文学作品に多数登場する。埼玉県狭山市堀兼に「堀兼之井」の旧跡が現存するが、「ほりかねの井」という言葉が、特定の井戸を指すものかどうかについては不詳である。「まいまいず井戸」全般を指す一般名詞とも考えられ