殺処分など死の瀬戸際まで追い込まれた野良猫や捨て猫が猫好きの客とともにくつろぐ宮崎市の「保護猫カフェ」が10周年を迎えた。血統書付きの「ブランド猫」ではないが、なかには「ぶさかわいい」とインスタグラムで人気者となった猫も生み出した。 このカフェは宮崎市にある「うたたね」。10月中旬、取材で訪ねた店内。生後3カ月から10歳までの15匹の愛敬たっぷりの姿。メモを取るノートを小さな足で踏みつけ、赤い光がつくICレコーダーを肉球で小突く。足元にすり寄ってくる猫もいて記者も思わず頰が緩む。 だがこの猫たちは一時は路頭をさまよい命の危険さえあった。そんな猫を救ったのは「うたたね」代表の橋本智子さん(49)だ。 運営の手伝いをしたフォトエッセイストの児玉小枝さんの県内であった写真展。保健所で殺処分を待ち、檻(おり)の中から静かにカメラを見つめる猫の姿に胸が痛んだ。「こんな悲しいことが行われているなんて」