この2年間というものAdrian Lamoは冒険に満ちた日々を送ってきた。22歳のこの青年は、Yahoo、Microsoft、Excite@Home、そしてWorldComのネットワークに侵入したと公言してきたのである。 しかし、典型的なハッカーとは違い、システムへの侵入方法を標的となった企業にそのまま伝えるのがLamoのやり方だった。そのため、Lamoが侵入過程で発見したセキュリティ上の脆弱さを、企業側は修復することができたのだ。標的となった企業のなかには、助言を与えてくれたLamoを「親切」とまで言う企業もあった。 ところが、2002年2月に状況が一転した。Lamoは、New York Timesのネットワークに侵入し、約3000名分の特別寄稿者に関するデータベースにアクセスしたと宣言したのだ。この出来事はLamoに対する2件の刑事告発、Lamoの逮捕、そしてマンハッタン地方裁への出廷