国立競技場が登場するアニメを調べてみたら、4年前の2017年公開作品が多かった。アニメ評論家・藤津亮太がその理由を考察。「近未来」として描かれた国立競技場像に迫る。 『プリキュア』世界の中でぐらい理想の場所で テレビを頻繁に見ているわけではないのに、ふと目に入ってくるのが、あの数字のゼロにも似た国立競技場の俯瞰映像だ。隈研吾による木材を活用したこの競技場は、上空から見ると、約7万人を収容できる大きさのわりには案外つつましやかな存在感で、テレビ画面の中に収まっている。 アニメの中に現実のランドマークやそれに類する建築物が出てくるとちょっと楽しくなる。それは、ロケ地巡りの発展である、いわゆる「聖地巡礼」のおもしろさと似ているようで少し違う。現地をロケハンしてその成果を画面に反映するのは、リアリティを画面に与えるためだが、ランドマークは「時代」や「地域」を伝えるもっと即物的なアイコンとして使われ
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