夏まで青々としていた水田が、実りの季節を迎えている。風が吹くと稲穂が揺れて、まるで黄金色の海だ。ブルー・オーシャンならぬ、ゴールデン・オーシャンの様相である。遠くの方では老夫婦が仲良く畦道を歩いて家路を急ぐ。まさに「美しい国ニッポン」を感じる一瞬である。この素晴らしい風景はなんとか後世に伝えていきたいものだ。 コメの面積当たりの生産効率は悪い さて、今回は日本の農業、中でも本丸のコメ作りのビジネスについて考える。 日本の農地の約54%は、稲作に使われている。しかし、コメが食料生産に占める割合は24%程度でしかない。コメは面積当たりの生産効率が悪く、農作物平均の約5分の1でしかない。かくして、コメをたくさん作るには、たくさんの農地が必要となる。 さて、コメはこのように非効率なのになぜ作り続けられるのか。 そこには、極めて合理的な理由がある。 コメ作りは人手がかからない まず、コメ作りは人手が