「はしか(麻疹)」が、再び流行の兆しを見せている。予防接種で防げる病気なのに、なぜ日本で流行するのか? 「潜在的に流行の危険性が常にあります。特に26歳〜39歳、国際標準にあたる2度の予防接種を受ける機会がなかった世代が残っています。いつ流行してもおかしくないのです」 ため息混じりにこう話すのは、国立国際医療研究センターで、感染症対策に取り組む看護師の堀成美さんだ。堀さんの専門は感染症看護。一般向けの啓発活動にも積極的に取り組んできた。 「今回のはしか流行は、大学生の間に流行した2007年や過去の流行に比べると、数は多くはありません。しかし、1週間で30人超が感染しています。今後、さらに感染が拡大すること恐れはある」 そもそもの経緯は……今回の流行の発端はこうだ。2016年7月下旬に関西国際空港を利用した人のなかに、はしかの感染者がいた。その一人、兵庫県在住の19歳の男性は、8月14日に幕