旅先の温泉宿にいる。ついさっきまで海から流れる、ゆったりとしたさざ波の音を聴きながら、窓の外を見ていた。冬の青く澄んだ空の景色を見ながら、今年末は静かに過ごそうと決めていた。 こうしていると自分が数日前までクラブにいたことなんて嘘みたいだと思う。六本木。激しい光彩の下で踊る女の子の集団のなかに突っ込んでは、そのひとりに触れ、騒音のなかで耳打ちして、時に手を引っ張って連れ出し、フロアの隅っこで、やや強引なディーブキスをしていた僕は、本当に「僕」だったのだろうか。 以前から遊び人ではあったが、春からナンパを始めた。 経緯については、このブログに書いてきた通りだ。今年の前半はストリートで。秋頃からはクラブで。「結果」から挙げると例年よりも数人、増えていた。遊び方を大幅に変えたので、減ると予想していたが意外だった。相手の内訳も少し変わった。以前はアラサー層の社会人ばかりだったが、今年は25歳の第2