蘇州における水辺空間の構成 -水郷都市の水路街路空間に関する研究(その1)- 1.はじめに(背景と目的) 中国江南の水郷都市蘇州は、運河があちこち到る所に存在する。都市は縦横にのびている運河によって構成されており、都市の景観も運河の存在によって豊富な景観が形成され、独特的な魅力を持っている。しかしながら、近年都市の再開発或いは新規建築物の建設によって、水郷景観の特徴“小橋、流水、人家”の中で最も重要な要素としての水路(運河)が次第に消滅し、水郷の特徴が失われようとしている。また、新しく建設、整備された水路は自然性に欠けていて、現存の水路に及ばないという印象がある。したがって、水郷歴史の美しい景観の維持、また現代の快適な生活環境を創造するために、水郷景観の構成原理を把握し、水郷景観の構成要素と構成方法などについて分析する必要がある。本研究は、水郷景観の保存、修景や再開発等に寄与するため、景観