(著者抄録) 本稿は、パートタイマーの仕事内容が正社員のそれへ接近するという質的な基幹化の議論を的確に展開するための準備作業の1つとして、本来はこれと等しく重要であるはずの量的な基幹化に焦点を合わせて検討する。パートタイマーの労働時間が個別に異なるという点を考慮して、労働時間によるパート比率である量的なパート活用率を推計すると、労働時間帯の多様性が高いため雇用機会が大きく、実際に一定水準までパート労働供給が行われる卸売・小売業、飲食店において数値が最も高い。将来は、労働時間帯の多様性に対してどこまでパート労働が供給されるかが量的な基幹化の進展にとって重要な要素となる。また、ファミリー・レストランにおける職場の労働時間構造の事例分析により、高度な量的基幹化の達成は異質なパート集団間の分業を要求することが示される。だが、量的な基幹化の帰結である異質なパート集団の管理は、一般には高度な質的基幹