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ブックマーク / docseri.hatenablog.jp (7)

  • スチームパンクの技術史 - 妄想科學倶樂部

    スティーム・パンクというのは、来はSFの用語だ。 SFの源流は(定義にもよるが)19世紀に遡る。ジュール・ヴェルヌはフランスで1864年に「地底世界」、1865年「月世界旅行」、1870年「海底二万マイル」、1871年「洋上都市」など「空想科学小説」を次々に発表、機械技術がもたらす新たな社会の姿が空想逞しく描かれ始めた。 それから100年あまり、1980年前後に「サイバーパンク」をもじったジャンル名称として提唱されたのがスティームパンクである。 これは要するに、初期SFの作風に影響を受けて現代の作家が描いた「レトロフューチャー」だ。 ヴェルヌが描いたのは当時の知見に基づく「来たるべき未来の姿」である。対して、スティームパンクが描いているのは「来なかった未来」だ。蒸気機関が内燃機関にとって代わられ、電気技術が電子技術へと発展した現代社会ではなく、たとえば蒸気機関が主力のまま成長を遂げた社会

    スチームパンクの技術史 - 妄想科學倶樂部
  • ボードゲームカフェの成立要件 - 妄想科學倶樂部

    「気軽に寄ってボードゲームできるスペースがあればいいのに」とはプレイヤーならば誰しも一度は考えたことがある筈だ。一人では遊びようのないボードゲームは常に対戦相手を必要とするが、余暇の多い学生ならば兎も角、社会人ともなるとなかなかタイミングが合わず遊べなかったりするのは珍しいことではない。私も実際のプレイ機会は年に数回だ。 行けばいつでも対戦相手がいて、持っていないゲームもプレイできる。そんな場所があれば。 ないわけではない。新宿にはゲームスペース柏木という伝説の店があり、ここでは常に誰かしらプレイヤーがいて、常時(常連が持ち込んだ)大量のストックゲームがあり、一人で手ぶらで訪れても存分に遊ぶことができる。 つまり形態として不可能ではないのだが、実態としてほとんど成立していない。これは何故か。 まあ結論から言えば要するにプレイ人口の問題なのだろう。 同じような形態でも雀荘などは(少なくとも往

    ボードゲームカフェの成立要件 - 妄想科學倶樂部
  • 「エア御用」問題に見る認識のズレ - 妄想科學倶樂部

    エア御用、という言葉がある。なかなかややこしい定義で、まず「お上に雇われ、学識をねじ曲げる学者」を意味する「御用学者」が先にあり、次いで「雇われてはいないのにお上に与する見識を述べる者」として「エア御用」がある、という構成だ。 はっきり言えば極めて恣意的な定義である。「正しい見識」がどのようなもので、それに対して「どのように間違っている」のか、ということを見定めるのは、少なくともその道の専門家でもない限りはほとんど不可能なことだが、実際に「エア御用」と呼ぶ側は何ら専門知識を持たぬ市民である。実質的にこれは「自分の信じることを否定するものをエア御用と呼ぶ」に等しい。 あらゆる問題について適用可能なレッテルではあるが、現状これは原発事故に絡む諸問題について「自分たちが信じる危険性よりも安全な認識を示す者」に対して用いられている。 この恣意的な呼称に対する、「市民」の側からの正当性主張は概ね次の

    「エア御用」問題に見る認識のズレ - 妄想科學倶樂部
  • 感情論の否定について - 妄想科學倶樂部

    私は理想論として「感情ではなく理性に基づいて判断が下されるべきだ」と考えているので、基的に感情面については一切考慮していない。無論、感情に基づく反応というものがあると言うことを否定はしないし、感情的であることが「悪」だとは言わない。が、私は自らの立場を理論面に置くし、またその立場から時に感情論を「理論的でない」という理由で批判することがある。 感情論は悪ではないが、理論的に見て「望ましくない」。何故なら、感情は正確に「共有」されないからだ。特に、善悪のような判断を行なう場合、感情に基づき判断するのは非常に危険なことだ。 ある事柄について「悪い」と断じる場合、その理由が感情に根ざしたものであるならば、その感情を共有できない他人は同じく自身の感情を理由にその言説を否定することができる。感情は根的なレベルで共有できない*1ので、「自分はこう感じる」以上の言とはなり得ず、よって全ての感情論は等

    感情論の否定について - 妄想科學倶樂部
  • 階層的知識コミュニティ - 妄想科學倶樂部

    「教えて君」問題は知識ベースのコミュニティに特有の問題と言える。広い範囲ではコミュニティとは知識ベースのものであるから全てのコミュニティで同様の問題が発生しようが、知識を主体としないコミュニティではその発生率は低くあまり問題にならない。対して技術系コミュニティなどでは必ずと言っていいほどこの問題で荒れる。 教えて君が問題視されるのは、コミュニティ内の知識レヴェルに大きな差があるからではないだろうか。何かの知識体系について知りたい人が皆そこへ集うが、各々の知識レヴェルは0(調べる方法すら解らない)から99(解説書を書く側)まで様々である。赤児に言葉の説明ができないように、既に知ってしまっているものが何も知らないものに合わせて解説するのは難しい(喩えほどに困難ではないにしても)。 一般に、学習というのは少し上を見てこそ最大限の効果が得られる。山の麓に立って頂上を仰いでも果てしない道のりに絶望す

    階層的知識コミュニティ - 妄想科學倶樂部
    nisemono_san
    nisemono_san 2006/03/13
    塾を思い出した。
  • 文章ツールとしてのWordLinkの可能性 - 妄想科學倶樂部

    WordLinkはヤバい。はじめはとっつきにくく感じていたが、ちょっと弄ってみるとその面白さにすっかり嵌ってしまった。 これは文字通り連想ツールだから、一つのキーワードから連想されるものを次々に登録して行ける。そしてそのそれぞれから更に連想したものを登録……を繰り返してどこまでも深みへ行ってしまう。 これがツリー構造だと、関係性の上下に気をつけなければならないとか移動方向が一次元的で探求が困難とか色々問題が出て来るところだが、WordLinkの場合は常に関係性は対等であり、どこからでもどこへでもリンクされるから、無限の広がり(の可能性)を持っている。 早速狭い範囲でのリストアップを始めてみたのだが、次々に関連後が浮かんで止まらなくなってきた。リストマニアの皆様に於かれましては是非なにか1ジャンルだけでも登録してみて頂きたい。書きはじめたが最後、寝忘れて没頭しそうになること請け合い。 説明

    文章ツールとしてのWordLinkの可能性 - 妄想科學倶樂部
  • CyberPunk経済論 - 妄想科學倶樂部

    サイバーパンク作品にしばしば登場する「メガコーポ」。全ての産業を内包しそれ自体が国家機能を有する、つまり「国を私有する企業」という概念は大変魅力的であるが、一方でこういう疑念も沸き起こる-----「製品を販売する先がないんじゃないか?」 実際に、超巨大企業体がどのように成立し得るかを考察してみた。 世界の分類 メガコーポの経済を考察するにあたり、まずは世界背景を定義しておかねばならない。 考えられるパターンを列挙すると: 一つのメガコーポが支配する先進国家世界と、それを取り巻く発展途上国 複数のメガコーポと、それを取り巻く発展途上国 一つのメガコーポが全世界を支配 複数のメガコーポが世界を分割統治 1〜2と3〜4の違いは、メガコーポの支配下にない国が存在するかどうかである。これらの国は周辺国との競争を勝ち抜いて自らも先進国になりたいと考えており、そのために他国と(主に武力で)鎬を削る。つま

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