2000ロックが型にとらわれない革新的な音楽であったのは遥か昔の話で、今や大半の商業ロックが様式美をなぞるようにして成立しているというのは周知。なかでも、特に様式的だといえるのが、メタルやミクスチャーをも含む広義のハードロックでしょう。そして、その類の音楽はおそらく、当ブログが想定している読者層とは最も縁遠い音楽なのではないかとも思います。ゆえに逆説的に、もっと多角的に語られるべき名作が埋もれているケースもまま見られるのが残念なところ。 このデフトーンズの3枚目のアルバムも、まさにその代表といえるのではないでしょうか。今作の発表された2000年という年は、メインストリームのロックにおいて重要なアルバムがいくつも発表されています。ひとつは、90年代にダンスカルチャーへの近接を見せたプライマル・スクリームのその集大成と呼べる『Xtrmntr』。ふたつめには、以前ここでも取り上げたレディオヘッド