──なぜ、そのような資源の再定義が必要になるのでしょうか。 平沼:今まさに、従来のイメージでは捉えきれない新しいタイプの資源が登場しつつあるからです。本書でも取り上げた「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」における廃棄物などはその良い例と言えるでしょう。これまでの経済モデルが地中から掘り出した天然資源を使って製品を「つくる→使う→捨てる」という資源を一方向で消費する経済モデルであったのに対し、サーキュラーエコノミーは、使い終わって廃棄物となった製品を再利用したり、廃棄物から原材料を回収して再び製品を生産するなど、生産・消費・再資源化のサイクルを循環させる経済のあり方です。レアアースなどのレアメタルをはじめとする貴重な天然資源の浪費を防ぎ、廃棄物の処理に伴う環境負荷を削減しようという狙いがあります。これは要するに、ごみ(廃棄物)を「資源」として再発見しようという考え方なのです。 ただ、こう