箱根駅伝を含む大学3大駅伝で単独最多となる22勝目を11月の全日本大学駅伝で達成した駒沢大。全ての優勝に指導者として関わってきたのが、大八木弘明監督(62)である。出雲駅伝で初優勝した1997年から四半世紀近く、大学駅伝界のトップを走り続ける名物監督。1時間にわたるインタビューで指導の神髄を尋ねると、そこには子どもの気質の変化に合わせた対応と、変わらぬ芯があった。【小林悠太】 62歳、早朝から自転車で伴走 2年前に還暦を迎えたとは思えないほど若々しく鋭い眼光と、持ち前の大声は変わらない。午前5時45分からの朝練習では10キロ以上、自転車で40歳以上年の離れた選手たちに伴走する。今春6年ぶりに自転車の伴走を再開した理由は後述するが、日中は授業の都合で4回に分けて行われる練習をずっと見つめる。「1秒落とせ」「ペースを上げていけ」。激励の声がグラウンドに響き続ける。 「いくつになっても選手たちを