USENの06年8月期決算は、19億円の赤字に転落、GyaO事業だけで50億円の損失を計上した。株価も決算発表前日に、一気に半分近い水準にまで下がった。決算が予想以上に悪かったことに加え、成長が期待されている無料インターネット放送「GyaO」が期待を裏切ったことも原因のひとつだ。アナリスト向けの決算説明会では、GyaOの将来性を疑問視する質問に対して、宇野社長は新たなメディアが生まれる際の「生みの苦しみ」で、07年度は黒字に転じると豪語した。だが、ヤフーが無料の動画配信に本格参入、さらに民放テレビ局も電通と組んで無料のブロードバンド放送「ドガッチ」を開始しようとしているなど、競争環境は厳しさを増している。1,000万近い登録者を集め、ブロードバンド放送の成功例と目されていたGyaO。現状は「生みの苦しみ」なのか、それとも、ヤフーやテレビ局の前に、このまま埋没してしまうのか。 アナリスト向け