年金減額訴訟：早大元教職員ら逆転敗訴 東京高裁 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)早稲田大が元教職員に支給する大学年金を一方的に減額したのは不当として、元教職員や遺族計１６２人が減額の無効確認を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁（青柳馨裁判長）は２９日、原告全面勝訴の１審判決（０７年１月）を取り消し、請求をすべて棄却する逆転判決を言い渡した。 早大は２０年以上勤務し掛け金を納めた６０歳以上の元教職員ら約１２００人に年約３００万～８０万円を支給してきたが、０４年、受給者増加や不況による年金基金の財政悪化を理由に支給額を最大３５％減らすことを決めた。 １審・東京地裁は「大学自体の財政状況は悪くなく、減額しなくとも支給継続は困難でない」としたが、高裁は「年金基金の財政状況を考慮すれば、減額決定は合理的な裁量の範囲内。大学財政は高水準の教育活動の維持に充てられるべきで、基金繰り入れには一定の限界がある」と指摘した。【伊藤一郎】
