『悪魔の沼』 原題:Eaten Alive(1976) トビー・フーパー監督の初期2作品、『悪魔のいけにえ』(1974)と『悪魔の沼』(1976)が、DVDリリースを前にして劇場公開される。もちろん『いけにえ』は放っておいても熱狂的ファンが駆けつけるだろうが、ここで声を大にして言いたいのは、絶対に見逃してならないのは『悪魔の沼』の方だということ。これまでこの作品は「インディーズで才気を爆発させたフーパー監督の毒が、ハリウッド商業主義の中で薄まってしまった凡作」という評価を受けてきた。はたしてそうだろうか? ▼日本公開時のチラシ ロケ中心のニューシネマ・スタイルが定着した時代に、フーパーは敢えて古典的なスタジオ撮影に立ち返る。オールセット撮影によって作り出された濃密な怪奇映画ムードは、明らかに非凡な才能の産物だ。マリオ・バーヴァ並に強烈な色彩美、深い闇を内包したハイコントラストの照明設計がも