【台北・中川博之】台湾の行政院(内閣)の政務委員(閣僚級)に、インターネット起業家唐鳳(タン・フォン)氏(35)の起用が決まった。閣僚としては史上最年少で、中学中退や性的少数者(LGBT)という異例の経歴もあって、台湾の大手新聞も「35歳のインターネットの奇才が入閣」などと注目している。 唐氏は10月1日に38人目の閣僚に就任予定。デジタル技術を使った政府と市民の橋渡しなど、新設の業務を担当する。 台湾の通信社・中央社によると、知能指数(IQ)が180と高かったが、学校になじめず14歳で中退。16歳で起業し、台湾のIT企業や米アップル社の顧問を務め、政府の情報公開を進める事業も担当した。 11年前に男性から女性へ性別適合手術を受け、名前も本来の「唐宗漢」から女性名に変更。取材に対し「ずっと自分は女性だと思っていた」などと語り、親戚や友人もこの選択を尊重してくれたという。 自由と人権