くじの低い当選確率を高く見積もってわくわくしてしまう傾向に、脳内のドーパミンが関与していることを、独立行政法人放射線医学総合研究所、早稲田大などの共同研究グループが初めて明らかにした。ギャンブル依存症などの治療に役立つ可能性があると期待される。論文は8日、米神経科学会誌オンライン版に掲載された。 ドーパミンは、快感や意欲などの情動に関わる神経伝達物質。研究グループは、健康な男性36人に、さまざまな当選確率と当選金額を組み合わせた宝くじをいくらなら買うか答えてもらうテストを実施。その後、ポジトロン断層撮影(PET)で、脳の線条体という部位でドーパミンを受け取る2種類の「受容体」の量を調べた。 低い当選確率を高く見積もり、高い当選確率を低く見積もる傾向は、多くの被験者に共通に見られた。実際の金額・確率と期待とのずれの程度を数値化し、ドーパミンとの関連を見たところ、D1という受容体の量が少な