「ゴミ屋敷」の片付けは、本当に大変な作業だ。この仕事を専門にしている人たちは、一体どんな思いで整理業を続けているのか。連載ルポ「こんな家に住んでいると、人は死にます」の最終回では、作業員の胸のうちに迫る――。(連載第20回) 「天井まで積もり、3分の2が生ゴミ」という現場も 私が初めてゴミ屋敷の現場に足を踏み入れたのは3年前だ。それ以降、生前遺品整理会社「あんしんネット」の作業員の1人として、さまざまな現場を片付けてきた。汚い現場を掃除した後は体調を崩したり、人が亡くなった現場を掃除した後は気分が優れない時もあった。 私は著書『潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病』(中公新書ラクレ)の出版で、一連の取材に一区切りをつけようとしているが、特に社員の方々はこの仕事をずっと続けることになる。どんな思いで整理業を続けているのか。連載の締めくくりに、そのことを綴りたい。 作業員の間で「物が多い現場