「芳紀(ほうき)」という言葉が、頭に浮かんだ。いまどき、めったに使わない表現だろう。女性の若く美しいころを表し、匂い立つような花の盛り、人生の春を思わせる言葉だ。 電通の新入社員で、平成27年12月に過労自殺した高橋まつりさん=当時(24)。母の幸美さん(54)が昨年11月、代理人弁護士とともに刊行した『過労死ゼロの社会を-高橋まつりさんはなぜ亡くなったのか』(連合出版)を読んだ。冒頭のカラー口絵には、在りし日のまつりさんの写真が数多く掲載されている。 かわいい赤ちゃんのころ、元気な小学生時代からはじまり、女性らしさが増した大学時代の姿はまさに芳紀、という輝きがあふれている。 母子家庭の経済的困難を乗り越え、私立の中高一貫校に進学。6年間、授業料免除の特待生を維持した。予備校に通わず、高校の全面的なバックアップで東大に現役合格。母娘の絆は強く、東京での暮らしや友人の話を聞いて、「まつりのお
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