この連載のテーマは「知的生活」です。間違えてはいけないのは、これは「学問ばかりする生活」というわけでも「高尚なことだけする生活」ではないという点です。 私がこの言葉に触れたのは、渡部昇一氏の「続・知的生活の方法」(現在絶版?)を読んだのがきっかけでした。35年ほど前に書かれた本書はベストセラーとなった前著「知的生活の方法 」とともに、オリジナルな発想を楽しむ生活について具体的で示唆に富む内容になっています。 まだパーソナルコンピュータ革命前夜に書かれた本と言うこともあって、ここで書かれているのは簡単にいえば、1. 書籍をたくさん読み、オリジナルな発想を育むのが「知的生活」、2. そのために時間・場所・金銭的な自由をいかに確保するか?、この2点です。 当時40代だった渡部氏が、学者として安定した頃にのびのびと書いたのではないかという軽やかさが文章にはあって、憧れのおもむくままに本を読みたい!