記録的な酷暑が続いていた8月下旬、岐阜市にあるY&M藤掛第一病院で、80歳代の高齢患者5人が相次いで死亡するという痛ましい事件が発生した。世間ではエアコン(冷房)の故障を放置していた病院側の対応に批判が集まっているが、この事件からは超高齢社会の底部に横たわる“やるせない現実”も浮かび上がってくる。 Y&M藤掛第一病院は医療療養病床と介護療養病床を持つ、慢性期対応のいわゆる「長期療養型病院」である。主な受け入れ患者は、 1、急性期病院から転院を迫られている高齢者 2、介護施設の空きを待っている高齢者 3、自宅での介護が困難な高齢者