ブックマーク / note.com/kasa_sora (2)

  • 「ほんとうはもっと与えられるべきだった」と無根拠に思いこむ人間の恐ろしさ  映画『ジョーカー』|槙野さやか

    ※ トッド・フィリップス監督の映画『ジョーカー』の内容に触れています。また、当然のことながら、あくまで個人の感想文にすぎないものです。 この映画の主人公であるアーサーはコメディアンの仕事で細々と収入を得、福祉の補助なども受けながら身体が不自由な母親の介護をして暮らす青年だ。彼がこのたびの「ジョーカー」、今まで何バージョンものキャラクターが提示されてきた伝説のヴィランの最新バージョンである。彼が住むのはもちろんゴッサム・シティ。バットマンのいる、あの町だ。すなわち、きわめてアメリカ的な、ニューヨークのように大きな都市でありながら閉塞した田舎のような空気をも漂わせ、犯罪者がすぐ精神病院にぶちこまれる(そしてひょいひょい脱出する)、例の町である。 のちにジョーカーになる主人公・アーサーの生活は貧しい。しかし、それほど激しい貧困状態ではない。ありふれた、なんなら「ちょっとした貧しさ」にすぎない。こ

    「ほんとうはもっと与えられるべきだった」と無根拠に思いこむ人間の恐ろしさ  映画『ジョーカー』|槙野さやか
    njamota
    njamota 2019/10/22
    自分に足りないのが何なのかが分かってないから、色々と求めても満たされず、不満がたまる一方で、過激化していく。無条件に無尽蔵に与えられるべきだったものを得られなかったからこそ、一生の渇望を生きていく。
  • もう一人の自分を創作する、そして世界と和解する 舞台『キンキーブーツ』|槙野さやか

    ひらひらした衣装にスパンコールやラメを散らして脚もあらわに歌ったり踊ったりする人が好きだ。映画でいうと『ムーラン・ルージュ』とか『シカゴ』とか、そういうやつ。私は、女にも男にもそのいずれでもない人にもひらひらした服を着てガツンガツンに自分を見せつけてほしい。私が落ち込んだときには友人が男性ストリップ映画『マジック・マイク XXL』のBlu-rayを送ってくれる(最高)。それを観て薄ぼんやりと「マジックマイクは完璧だけど、私としては、脱ぐ以外の方向性もほしいんだよな」と思う。女性が着飾って舞うショーはたくさんあるけれど、私は、男性ないし男性的身体にもきらびやかな格好をしてほしい。だって、美しいから。 そんなわけでここ一、二年ほどドラァグ・クイーン文化をチェックしている。超ざっくり説明すると、主に男性同性愛者がドレスを着てハイヒールを履いて踊ったりしゃべったりするものである。彼らは、女になりた

    もう一人の自分を創作する、そして世界と和解する 舞台『キンキーブーツ』|槙野さやか
    njamota
    njamota 2019/05/13
    「みっともない」or「私が美しいと世界はハッピーだからね」。世界からどう見られているかという評価にも陰と陽があるんだな。陽は自分が世界に貢献したもの(=愛)について、陰は自分の損失についての評価。
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