ドイツ、バイエルン州シュヴァーベン行政管区のドナウ=リース郡に位置するネルトリンゲンには、ドイツの古典的な町の特徴がすべてそろっている。 中心には、堂々とした尖塔が天を突くようにそびえたつ中世様式の聖ゲオルグ教会があり、そのまわりに何百もの木組みの家や店舗の赤い屋根が点在している。 しかし、よくよく見ると、実はネルトリンゲンにはほかの町とは違う特徴がある。それは、こうした建物には、顕微鏡でしか見えないくらいの微細なダイヤモンドが何百万個と埋め込まれているのだ。その量は推定7万2000トンに及ぶという。いったいなぜなのか? なぜ建物にダイヤモンドが埋め込まれているのか? なぜ、建物にダイヤモンドが? これは、およそ1500万年前に南ドイツの連邦国家バイエルンに小惑星が衝突した結果なのだ。この衝撃でネルトリンガー・リース(リース・クレーターともいう)という15キロ以上にもおよぶ巨大な盆地ができ