学生時代以来の神保町(東京都千代田区神保町で、本の街)族だったので、名物だった天丼はよく食べた。 1週間に何度も『天丼のいもや』に行き、希に佐野周二御用達の『はちまき』にも行った。安くて満足度の高い天丼ばかりで、天ぷら定食なんてめったに食べなかった。 天丼を食べにだけで神保町に行くわけにもいかないので、ときどき自分で作る。 今回の「あしあか(脚赤/クマエビ)」など上等の部類である。 一に「まき(小型のクルマエビ)」、二に「芝蝦(しばえび)」で、「あしあか」は東京では三のひとつといったところか。 精進ものは避けて、ちゃんと東京風に仕立てる。 できればごま油で揚げたかったが、普通のサラダ油で我慢する。 油の香り弱くちょっと上品過ぎるが、天ぷらには大きすぎるくらいの「あしあか」が実にうまい。 濃厚なエビの風味に、プリッとした強い食感が実に心地よい。 甘辛い天丼つゆと油っけありの衣がご飯に合う。