わたしが大学院の修士課程1年のとき,学会の地区大会に参加しました. 規模の小さい集まりです.口頭発表のほか,何件かのポスター発表がありました. そのなかに,ちょっとだけど私の研究と関連がありそうなものがあったので, おそるおそる近寄ってみました. 発表者はその近くにいましたが,ただ黙って立っているだけでした. いっぽう,気が小さい私はとても自分から声をかけることはできません. ポスター発表のメリットは,発表者と聞き手のあいだで密なコミュニケーションが 持てることです.でも,このときは発表者も聞き手もひたすら「……」 「……」で,まったくやりとりのないまま数分が経過し, いたたまれなくなった私はその場を離れました. この時から,ポスター発表は発表者も聞き手も気まずい思いをするものだという 警戒感を持ってしまいました. でも,その後,聞き手としても話し手としてもポスター発表を体験する機会が 増