さて、コンポジット初心者の方はまず、アルファチャンネルは「クッキーの型抜き」のイメージで捉えると分かりやすいと思います。RGBチャンネルによって出来たカラー画像という「生地」を、アルファチャンネルという「型」でくり抜く、というイメージです。 でも、これはあくまで「分かりやすいイメージ」です。実際には、コンピュータは「計算」をしています。RGBもアルファも、実はただの数値のデータです。コンピュータは数値を足したり引いたりしているに過ぎません。では、画像を合成するときに、どのような計算が行われているのでしょうか? 1984年、トーマス・ポーター氏とトム・ダフ氏は論文 "Compositing Digital Images" を発表し、アルファチャンネルを使った画像合成の基礎理論を確立しました(1)。現在では多くのグラフィックソフトがありますが、この論文が全ての源流になっています。そして、この論