国民の分断 新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動が大きく停滞する中、天皇陛下の即位から1年の節目を迎えました。コロナウイルスによる日本の経済的打撃は東日本大震災の規模をも超えるとみられ、感染拡大を「人類の危機」ととらえる見方も、おおげさとは言えません。 「それなのになぜ」——。天皇陛下に対してそのような気持ちを抱いている国民は決して少なくはないと、私は思います。陛下がこれまで、国民に向けてビデオなどで直接のメッセージを発していないからです。 「人と人とが接すること」「人々が集まって活動すること」。そういった社会生活や活動の根本が制限され、あるいは事実上禁じられているとも言える今、一部の者の差別的言動は現実化し、営業を続ける事業者らへの視線に、気味の悪い「同調圧力」を感じることも少なくありません。この現状は日本人にとって分断の危機です。 「分断」の反語はなんでしょうか。「統合」のはずです。
