2005年のNARグランプリ特別表彰馬。そして、2010年のNARファーストシーズンチャンピオンサイアーのタイムパラドックスを新冠町のビッグレッドファームに訪ねた。 「この馬は冬場になると元気になるんです」と紹介してくれたのは同ファームの松尾邦宏さんだ。栗毛の馬体はうっすらと冬毛をまといつつあるが、体全体から活力のようなものをみなぎらせている。たしかに、どこかグッタリとしているように見える夏シーズンには考えられなかったオーラのようなものを発している。 実際、現役時代も全16勝中13勝を10月から3月までの寒い時期に記録している。「だから、今でも思うのですが本当にダートだけを得意としていたのかなって」と松尾さん。「もちろんダートが得意ということは間違いないのでしょうが、もしかしたら体調がよくなる時期にダートの大きなレースが続いていたからかも、なんて思ったりもします。それくらい素軽いフットワー