「すみません!指の包帯は、医者から止められていて外せないんですよね」 今年10月、単独・無酸素のエベレスト(8848m)登頂の夢破れ、9本の指に凍傷を負った栗城史多(30)。'09年、世界第7位の高峰ダウラギリ(8167m・ヒマラヤ)の登頂シーンをインターネットで生中継し、脚光を浴びた登山家だ。身長162cm、体重60kgの小柄な身体は、登山家の壮健なイメージとは程遠い。代官山のオフィスに栗城を訪ねると右手の親指以外、包帯がグルグル巻きだった。 「指の感覚はありません。炭化して鉛筆の芯みたいにドス黒くなっています。今はお湯に浸けたり軟膏を塗ったりしていますが、ほとんどの指を第2関節から切り落とすことになりそう。でも、何とかならないかと思って試行錯誤しています。アメリカでは『豚の粉を掛けると指が再生する』という情報もある。是非試してみたいですね(笑)」 '09年から毎年アタックし、4度目の挑