●見えにくいゲーム機の真のコスト 「PLAYSTATION 3(PS3)」「Wii」「Xbox 360」と、3台のゲーム機が出揃った。3社三様の戦略から、それぞれ異なる路線と設計思想を取った3機種。日本では、PS3が、製造上の問題から初期出荷の数量が限られたことや、価格戦略のふらつき、ローンチタイトルの不揃い、日本でのゲームコンソール市場の不調などの悪条件が重なり、PS3バッシングに近い状況となっている。 なかでも、PS3の不安材料として挙げられているのは、高い製造コストだ。PS3が、現在の高価格でも膨れ上がってしまった製造コストでは逆ざやになっていることが不鮮明材料としてしばしば取り上げられる。予想を超えたコストが、ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCEI)の戦略を束縛しているという見方だ。 一方、Wiiについては、推定の製造コスト試算が低く、現在の価格でも採算が取れていると見
西田宗千佳の ― RandomTracking ― PS3とXbox 360の「ネットワークAV家電」としての可能性 「PLAYSTATION 3(PS3)」が発売されて、もうすぐ3週間。その後の検証で、謎の多かったPS3の中身も、ようやく見え始めてきている。また、「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」も発売になり、「ゲーム機を次世代メディア戦略の軸とする」姿が、明らかとなってきた。 そこで今回は、PS3とXbox 360の構造、そしてネットワークサービスを比較することで、「ネットワークAV機器としてのゲーム機」の姿を分析した。 ■ PSXの息子、PSPの兄弟だったPS3 結論からいえば、PS3は、ソフトウエアアーキテクチャ的に見ると、おどろくほどPSXやPSPの設計思想を継承した製品だった。 AVファンにとっては「失敗したビデオレコーダ」程度の認識にとどまっているPS
●伝統的ゲーム機からの脱却が今回のテーマ 来週(11月11日)登場する、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「PLAYSTATION 3(PS3)」。1年先行するMicrosoftの「Xbox 360」と、若干ずれる任天堂の「Wii」と合わせて、3社の“次世代機”が年末までに揃うことになる。構図だけを見ると、PlayStation 2、Xbox、GAMECUBE、Dreamcastで争った2000年前後のゲーム機戦争のリバイバルだ。しかし、今回のゲーム機戦争の中身は、前サイクルとは大きく異なっている。 ○各社とも“脱・伝統的ゲーム機”を強く指向している ○各ベンダーが目指す方向は大きく異なる ○その結果ハードウェアやソフトウェアの作り方が大きく変わった そして、その結果として今後の展開は、これまでとは違った方向へと向かい始めると推測される。 ○ネットワーク経由のサービスへと比
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