子供の頃から類稀な才能を発揮し、16歳で既に“生ける伝説”と呼ばれたマルタ・アルゲリッチ。麗しい美貌とは裏腹に、力強く圧倒的な演奏でたちまち世界中にその名を広げ、以降、約50年以上に渡りクラシック界の“女神”として君臨し続けている。しかし、スキャンダラスな私生活や気分屋で情熱的な性格は有名で「奔放な性格も彼女の芸術の一部」と称される。本作はそんな彼女のこれまで明かされる事のなかった演奏会の裏側、家族との姿、3人の娘たちの想い等、極めてプライベートな部分に迫り、核心を掘り下げてゆく。 生まれてからマルタと一度も一緒に暮らしていない長女リダ。忙しい母の代わりに妹の面倒をみた次女アニー。そして、子供の頃から母をファインダー超しに見つめていた三女ステファニー。母と有名ピアニスト、両方のマルタを知る娘たちがそれぞれの出自を語り出す…。ステファニーは長編初監督ながら、一見深刻な主題をウィットに富んだ編