2009年7月24日の日本経済新聞朝刊では、「電気自動車を本格量産、三菱自と富士重」という見出しで、電気自動車(EV)の本格量産開始を報じた。この「EV時代」の幕開けに重要な役割を果たしているのが、高性能リチウムイオン電池である。 この電池のキーマテリアルともいえるリチウムであるが、過去には資源量が心配され価格が高騰したこともあった。しかし、最近の研究では十分な量があるとされており、リサイクルや海水からの回収への期待も高まっている。低炭素社会への転換を推し進めるためにも、リチウム資源の有効利用が期待される。 「三菱自動車工業と富士重工業が電気自動車の新型車を発売した。それぞれ蓄電容量が大きい高性能リチウムイオン電池を搭載し長距離走行が可能」──これは2009年7月24日の日本経済新聞朝刊の記事である。さらに、その報道から約1カ月前になる2009年6月20日の日経新聞朝刊によれば、日産自動車