非常に簡単な話ですよ。具体的には、「0」と「1」からなる数学の列です。世の中を「有る」と「無い」に分けたとしましょう。その時に「有る」を「1」、「無い」を「0」とします。すると例えば「0、0、1、1、1」とあったら、これは「無い、無い、有る、有る、有る」という意味なのは、誰でも分かりますね? では、この「0」と「1」を人間だと思って下さい。一直線に並んで、皆、同時に右に動きたいと思っても、前に誰か「居る(=1)」と、進めません。逆に前に誰も居なければ動ける。こうやって「0」と「1」を、あるルールを決めて動かした時、時間を経るとどうなるかを考えるのが、セルオートマトンという計算モデルの基本です。これを応用したら新しい学問になるのではないかと、研究を進めていたのが、今から15年くらい前の事で、頭の中で、「1」が人や蟻、バス、車といった物に見えてきたんですね。