「もしも、うさぎくんが死ぬコトになっても、僕はきっと悲しまないよ」 くまくんはそう言ってコーヒーを飲みました。 口の中で広がる苦味はコーヒーのせいなのか、吐いたセリフのせいなのか・・・ 今のくまくんには到底分かり得ないことでした。 「それでもいい。僕は悲しみを求めていない」 そう言ったのはうさぎくんの方でした。 うさぎくんはただ、この世界とお別れしたいだけなのです。 「君はワガママだ。そして愚か者だ。生きるということを分かっていない。」 静かに重くそう言ったまま、くまくんは口を閉ざしてしまいました。 うさぎくんは呆れたような困ったような顔をして 「生きるということが分かる者がいるとしたら、それは神に違いない」 そう言うと、彼もまた口を閉ざしてしまいました。 どれくらいの時間が流れたでしょうか。 長いようで短いようにも思える沈黙でした。 それを壊したのは、他でもない 石焼き芋でした。 「石焼
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