この「極言暴論」で何度か取り上げたが、しばらく放置していた大問題がある。大問題と言うより、ユーザー企業のIT部門がSIerに対してやらかす悪行と言ったほうが正しい。何のことかと言うと、IT部門がSIerに「システム開発を御社に発注するから」などと偽って作らせた提案書を盗む行為である。 極言暴論の過去の記事を読んだことがない人でも、提案現場に出ているSIerの技術者なら「ああ、あれか!」と膝を打つであろう。なかには「私もやられたことがある」と思い出して歯ぎしりする人もいるだろう。一方、IT部員の読者には、過去の己の悪行を思い出し赤面している人がいるはずだ。あるいは「だって仕方なかった」と開き直るやからもいるかもしれない。 そんな悪行を知らず「提案書を盗むってどういうこと?」と不審に思っている読者もいるだろうから、少し説明する。客のIT部門はSIerに提出させた提案書を基にRFP(提案依頼書)