日本の雇用システムは、実は日本独特のものである。それを決定づけたのが高度経済成長期。以来、日本人の働き方はどのように変わってきたのだろうか。それを理解することで、今問題となっている働き方の原因と、今後の目指すべき方針が見えてくる。そこで、各年代のキーワードとともに、日本人の働き方について、人事コンサルタントの城繁幸氏に解説いただいた。 高度経済成長期~安定期(1960~70年代) KEY WORD 「新卒一括採用」「年功序列」「終身雇用」「解雇規制」 1965年からの10年間で、日本の経済規模は2倍の成長を遂げました。この「高度経済成長期」は、日本型雇用形態――即ち新卒一括採用、年功序列、終身雇用システムの幕開け期でもありました。 実はこの時期以前の日本は、能力次第で出世もできれば解雇もされる実力主義社会でした。しかし経済成長で需要が急伸するに伴い、企業は労働力の安定的確保を目指すようにな