アメリカの次期大統領に、共和党のドナルド・トランプ氏が当選した。トランプ氏が大統領になれば、日本にとっても少なからず影響が出てくるのは避けられない。特に日本に対する言動は、辛辣を極める。今後、我々はどのような対応を求められるのだろうか。『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社刊)から、一部を抜粋してお届けする。 トランプが日本を叩く背景とは トランプの演説に顕著だったのは、標的を定めて攻撃する態度である。これは、世界のポピュリストに共通する傾向だ。 メキシコからの不法移民は、標的の筆頭である。「国境に壁をつくる」は、彼の公約ナンバーワンだ。ホームページでも、最初に掲げた政策が「壁の費用をメキシコに払わせる」である。 トランプは演説で、メキシコの政治家を順番にやり玉に挙げ、挑発する。反論を引き出し、さらに批判する。緊張を高めることを楽しんでさえいる節がある。 そうすることで、トランプは常に