2007年1月に基幹システムを「地銀共同化システム」に移行した常陽銀行は,本番移行に先駆けてリハーサル(予行演習)を繰り返した。同行では,「システム間の相関関係が複雑過ぎて影響範囲が読み切れず,段階移行は困難」(システム部 次長 尾又良一氏)との理由で一括移行を選択していた。第3回で解説したように,一括移行はリスクが高い。リスクを抑えるために,8回ものリハーサルを通じて移行手順を確立した(図1)。 図1●リハーサルを繰り返すことで本番移行時のトラブル要因を取り除ける 常陽銀行の尾又良一氏らは,基幹システムの一括移行で合計8回ものリハーサルを実施した。リハーサルのたびに「改善項目」を洗い出し,次回のリハーサルに反映した [画像のクリックで拡大表示] 8回には及ばなくとも,多くの現場は2~3回のリハーサルは実施して本番に臨むものである。ところが,せっかくリハーサルをしても,十分に生かし切れない