「フラット化する世界」に疑いの目を向ける天才教授がいる。果たして世界は本当にフラット化しているのだろうか? フラット化した世界市場を前提とするグローバル戦略は正しいのだろうか? 「グローバリゼーション津波論」は正しいか パンカジ・ゲマワット 1983年~2008年、ハーバードビジネススクールの教員を務め、91年には同スクールの史上最年少の正教授に。現在は、スペインのIESEビジネス・スクール教授を務める。『Redefining Global Strategy』など著書多数。 まず初めに、私がなぜ「セミ・グローバリゼーション」という概念に行き着いたのか、お話ししましょう。 1980年代半ば、私は米国ハーバード大学のビジネススクールで教鞭を執りながら、「グローバル戦略」に関する論文を書いていました。私は読書が好きで、多くの本を読んでいますが、80年代、「グローバル戦略」に関連する本の著者に、同