福田:新しいことをやるのは、端的に言って大変です。 従来のPFIは、手法はPFIでも基本的には公共事業でした。最終目的は施設を造ることで、関係者間で明確に共有されている。既存の枠組みに、プロジェクトファイナンスを追加しただけとも言えます。 コンセッション方式は、日本でこれまで例がない。民間で空港の運営をやったことのある人はあまりいません。下水道のオペレーションの一部を担っている人はいても、丸ごとやったことのある人は少ない。従来は官がやっていた世界です。コンセッション導入の狙いは、これを本当に民間に開くことです。 民間企業からすれば、ハードルは高い。前例がないので、関係者間でイメージを分かりやすく共有できない。事業を立ち上げるのは相当にクリエーティブな作業になります。一気に横に広がっていくのは正直、難しいでしょう。 まずは、新しい仕組みにチャレンジする力のある人たちが、最初の事例をつくる必要